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クエストアイテム/ステラの手記

Last-modified: 2007-06-24 (日) 15:42:43

ステラの手記

……昨日、森で怪我をしたマン島のハーピーを
見つけた。先日山向こうに現れたナクゥパに
襲われたらしい。
 彼らの瞳は深く澄んでいた。敵意、悪意は
まったく感じられない。私は傷の手当てをし、
彼らを風鳴りの洞窟へと連れて行った。
 このことは間もなく村中に知れわたった。
が、村に彼らを恐れる者はいない。私たちは
自然の中で暮らすセラルカの民。それが害を
なす存在かどうかは、一目でわかる。
 やがて傷の癒えたハーピーたちは村を襲う
モンスターを退け、また、災厄の近づく時は
警告を発して知らせてくれるようになった。
レーラ、シナツ、ナライと名づけられたこの
新しい友は、村の守り神でもあった。


……今日、村に五人の異界人がやって来た。
噂に聞く五人の勇者である。外見は私たちと
そう変わらない。しかし、強烈な威圧感だ。
強大な力が全身に満ちているのがわかる。
彼らの目的は、われらが友の封印。
 それはできない。大災厄を阻止するために、
命がけで戦っている勇者には感謝している。
それでも、できない。私たち村人にとって、
レーラ、シナツ、ナライは大切な友なのだ。
 話し合いは平行線。勇者たちは、私たちの
訴えに聞く耳を持たない。レーラ、シナツ、
ナライは確かに強力なモンスターである。
あのナクゥパの襲撃から生還したのだから。
しかし、性質は争いを好まず、おとなしい。
人間よりもずっと理性的である。


 私は勇者たちの様子に、大災厄阻止という
大義ではなく、より強い敵と戦って倒したい
という私的な意思を感じる。彼ら五勇者は、
手に入れた巨大な力に酔い、溺れつつある、
私にはそう思えてならない。


……明日、掛け替えのない友が五勇者により
封じられる。勇者側は内心戦闘になることを
望んでいるようだが、決してそうならない。
レーラ、シナツ、ナライは抵抗することなく
封じられ、眠りにつくのだ。
 その考えを伝えに風鳴りの洞窟に行くと、
彼らもまた、同じ結論に達していたようだ。
 言葉をつまらせる私。優しくうなずく友。
 出会った日と変わらぬ深く澄んだ瞳。

 この手記は明日、彼らと共に眠りにつく。
いつか、彼らが再び大空に舞い上がる時、
この勇者の過ちも伝えられるように。
そして、同じ悲劇が繰り返されないように。


 レーラ! シナツ! ナライ!
 生きてさえいれば、きっとまた会えるよ。
たとえ私はあえなくても、私の子供たちが、
孫たちが、その子供たちが、必ず… …。
                        ステラ